お客様プロフィール
病院名:医療法人暁会 仁愛病院
住 所:長野県伊那市西町4906
概 要:
長野県の民間病院として最大規模の病院誇る同院は、院長である小松大介氏の理念である「困ったときにかかりやすい病院」を目指して日々活動している。
同院の特徴は一般病床・療養病床を併せ持ち、急性期から慢性期まで様々な疾患の患者に対応できるところにあるが、それだけでなく、カバーできる疾患の幅広さや、週に一度、信州大学医学部附属病院の医師の診察を受けられることなどから、まさに困ったときにかかりやすい病院を体現している。
さらに、病院は「敷居が高い」、「面倒だと」思って通院しないといったことがないよう、同院は敷居の高さをなるべく取り払うようにしていることから地域の人々から寄せられる信頼は厚く、町のかかりつけ医として地域医療を支えている存在だ。

お話を聞いた方
事務長補佐 井上 秀二 様
放射線技師 高橋 隼人 様
ネットワークを見直した経緯
3年ほど前に新しい病棟を建てたことをきっかけに、院内のネットワークを見直すことになった。
それまでは外部からのサイバー攻撃被害に遭わないよう、インターネット用、電子カルテ用、検査機器用と3種類に分けた物理LANで構成しており、比較的閉鎖的なネットワーク構成となっていた。
その一方で、ここ数年でクラウド型のサービスの普及など、インターネット接続が不可避となってきており、内部に閉じたネットワーク運用では限界を感じつつあった。
そんな中、新たな病棟が建ったことで新しい電子カルテの導入が必要となり、さらにこれまでに導入してきたシステムとの連携が必要となったため、既存の物理LANの構成ではより対応が厳しくなった。
また、それまで院内ネットワークの管理を専門業者に委託していたが、障害などの問題が発生したときにも依頼しなくてはならず、緊急時の対応レスポンスが気になっていた。
そこで、ネットワークの見直しを行うとともに、今後はできるだけ院内にいる職員でも管理できるようなネットワーク構成にしたいと考えていた。

課題
- 院内に閉じたネットワーク構成では病棟間、医療用システム間での連携に問題が生じていた
- あまりネットワークに詳しくない職員でもある程度管理できるネットワーク構成にしたかった
- 3年ほど前に150万ほどかけて整えたWi-Fi環境を活用できていなかった
- 家庭用ネットワーク機器が十数台院内に設置されており、原因不明の通信不良が起きていた
解決策
- 専門業者によるサイトサーベイで適切な位置にネットワーク機器を配置
- 家庭用ネットワーク機器を排除し、適切な機器を選定
- ヤマハのルーターを採用し、LANマップを利用できるようにする
効果
- 院内のほぼすべてに滞りなく通信が行き渡ったことで便利になった
- 家庭用ネットワーク機器を排除し、通信の干渉がなくなった
- 高額なネットワーク機器を新ネットワークでも利用できたため、資源を無駄にせずに済んだ
- LANマップによって通信の問題が発生しても職員が該当箇所を把握できるようになった
- 外部にいる管理会社からも保守サポートを受けられるようになり、復旧にかかる時間が早くなった

病院内で抱えていた問題と新ネットワークへの要望
以前はIPアドレスの管理も業者任せで、医事システムや検査システムの連携など、何かをしたくても自分たちでは何もできず、通信が不安定になってもどこを見ればいいのかわからない状態でした。
また、院内にはスタッフが持ち込んだ家庭用の無線機器が十数台ありましたが、複数台の無線機器が集中しているところでは監視カメラが急に映らなくなるといったことがありました。SSIDを変えるなど試行錯誤したものの解決できず、理由もわからず困っていました。
今回、ネットワークの改善の条件として出していたのは、医療機器用、入院患者用、スタッフが業務で使用する用と、用途別に回線を切り分けてほしいという点です。
医療用については医事システムや、PACS(医用画像管理システム)、検査機器、順番待ちシステム、電子カルテになりますが、これはセキュリティ面の強化を目的としています。
入院患者向けについては、病室にはテレビはありますが、やはりスマホやタブレットを使いたいという要望は多く、ちょうどコロナ禍ということもあり、さらに無線LANの開放を希望する声が増えていました。
そこで入院患者へのサービスの向上といった観点から、入院患者用の無線LANを新たに追加することにしました。
ネットワークを構築した丸登電業様のコメント

要望としてあった「見える化」への対応という点からヤマハの機器を選定しました。
他社の製品でも似たような機能を持つものはありますが、オプションだったり、ソフトウェアの導入が必要だったり、それ用にサーバを構築しないと見える化できないといったことがあります。
ですが、ヤマハの機器であればスイッチハブにGUIが内蔵された形で提供されていますので、おすすめしました。
導入に関していえば、既設アクセスポイントを一部に使用したため、ヤマハのアクセスポイントとの兼ね合いの部分で設置位置やチャンネル設定を考えながら進めましたが、比較的難なくこなせたと思います。
ヤマハネットワーク機器導入の決め手と導入後の印象
ネットワークを構築してくれた丸登電業さんからだけでなく、アドバイザとして入っているNTTのSEからも素人が管理するならヤマハの機器はおすすめだし、セキュリティ面でも認証機能があり、安心できる能力を持っているという話を聞き、プロがおすすめするならと思い、ヤマハに決めました。
実際、LANマップが使えるようになったことで、素人でも視覚的に見て判断できるようになり、ネットワークの管理がしやすくなったという部分をとても評価しています。職場でも見られるようにしてもらったので、わざわざサーバ室に行かなくてもいいので助かります。
つい先日も院内のネットワークが遅いという話があり、それまでだったら理由がよくわからないままでしたが、LANマップを見たところループしているところが一目でわかり、凄いなと思いました。
他社にも同じような仕組みを持つものはありますが、レイアウトが見にくかったり、説明動画がわかりにくかったりして、使いこなせていたとはいいがたい状態でした。一方のヤマハのLANマップはとても見やすいため、高く評価しています。

お客様から丸登電業様の評価
以前の物理LAN事態に限界が来ていたところで、vLANを入れたくとも知識がなく、どうにもやりようがないと感じていましたが、丸登電業さんに相談したら拡張ができることがわかり安心できました。
見直しにあたり、当院からはいろいろな条件を付けましたが、それに対してそれはできませんといわれることはなく、対応してくれたのにはとても感謝しています。
特に3年前に150万で購入したCiscoの無線機器をそのまま使えるとは思わず、院長宅で使うしかないかと話していましたが、宮田さんはもったいないからと言ってくれ、一つも無駄にすることなく、通信が網羅されるように配置を考えてくれました。また、それを含めてすべての機器を一括で管理できるような仕組みを組んでくれましたのでとても感謝しています。
ネットワークの改定の時も、院内の業務に影響が出ないようにハブの切り替えをしてくれて助かりました。
別の時にはネットワークがおかしくなって相談したら18時を過ぎたにもかかわらず、山梨から駆けつけてくれたこともあります。毎回、細かい部分まで見て対応してくれるので助かっています。
ネットワークは業務の血管ともいえる存在で、止まってしまえば何もできなくなりますし、今後は今よりさらにネットワークが重要になっていきます。
これからも丸登電業さんにお世話になっていきたいと考えています。
今後、院内のネットワークの計画について
外来用のWi-Fiは今後入れていく可能性はあります。
それ以外では院長の考えにもよりますが、美容や健康寿命を延ばすという話がよく話題に上がりますので、そういた面でネットワークの活用を考えていく可能性はあります。
例えばウェアラブルデバイスで取得したデータを健診や普段の診察、リハビリのアドバイス、別で建てた施設と病院間の連携などで活用するといったことですね。
ヤマハの機器に今後期待する機能
往診先で電子カルテを使いたいのですが、できるだけ医療用のネットワークを切り分けたいと思っているので、例えば医療用ネットワーク専用のポケットWi-Fiのような、院内のネットワークを往診先でも使え、さらにデータの蓄積や、院内にあるデータにアクセスできるような機器があると嬉しいなと思います。
パートナー紹介:丸登電業様
長野県下に5ヶ所の拠点を置く、地域密着型企業。
電話工事で得たノウハウや知識を生かし、情報システム分野の中でも特にネットワーク構築を得意としている。
使用製品
RTX830
小規大幅性能向上と新規ネットワークへの対応
小規模拠点向けギガアクセスVPNルーター