濱田康貴氏コラム第2回「NVR700Wでモバイルインターネット」

濱田康貴氏コラム第2回「NVR700Wでモバイルインターネット」

2017.10.30

1. NVR700Wはモバイルルーター?

さて、前回NVR700WはLTE/3G回線を利用できるVoIPルーターであるとご紹介しましたが、取り上げた実例はフレッツの回線から接続する方法でした。せっかくなので、今回は屋外でどのような使用感なのかをご紹介したいと思います。

最近では、スマートフォンややノートパソコンを屋外で使用するためにモバイルルーターを持ち歩く方が多いのですが、お弁当箱ほどのサイズかつAC電源を必要とするNVR700Wは、さすがに持ち「歩く」用途には不向きです。

しかし、電源があり、3G/LTEの電波が届けばよいのですから、例えばMDFから線路長が長くてLANケーブル敷設が困難な建物、短期間で撤収することが決まっているために固定回線を引くことがコストに見合わないイベント会場のようなケースで遺憾なく実力を発揮してくれるでしょう。

もちろん、複数回線を選択することができるので、メインは固定回線で、バックアップ回線として3G/LTEを用いる、という使い方も可能です。

AC電源さえ用意できて、かつ雨風をしのげる環境であればインターネットに接続できるのですから、工場や店舗などでWEBカメラを接続しての定点観察やインターネット放送の中継など、モバイルルーターでは荷が重い用途でもパワフルにこなしてくれるでしょう。 (設置場所は気温や湿度など動作環境条件 http://jp.yamaha.com/products/network/routers/nvr700w/ に適合するかを必ずご確認ください)

2. NVR700Wを外に持ち出してみよう

2-1. NVR700Wの設定をしよう

まず、NVR700WでLTE/3G回線での通信ができるよう、機器の設定を行います。ご覧のように、NVR700Wには標準SIMカードを挿入する部位があり、本体にアンテナを立てる事ができます(これは無線LANのアンテナではありません)。

NVR700Wの本体上部に、SIMカード挿入スロットがありますので、蓋をはずしてSIMカードを挿入します。最近のスマートフォンはnanoSIMが主流ですが、NVR700Wで使用するSIMカードは標準SIMカードですので、SIMカード購入の際には間違えないようにしましょう。

なお、動作確認済みSIMカードはこちら http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/wwan/available_sim.html で確認することができます。
SIMカードを挿入して電源投入後、WEBブラウザから管理画面にログインします。その後、かんたん設定からプロバイダー接続をクリックして設定を行います。

次にインターフェースの選択で「内蔵無線WAN」を選択します。


APNの設定ですが、ここでは回線提供事業者が指定したアクセスポイント名(APN)、ユーザーID、接続パスワードを入力します。設定名はわかりやすい名前をつけるとよいでしょう。

通信制限を行うかどうかもここで選択することが可能ですので、通信料金が気になる方は「制限する」を選択するのもよいでしょう。今回は、通信制限をせずに次へ進みます。


DNSサーバーの設定ですが、回線提供事業者が指定している場合はここで入力します。今回は、プロバイダーから自動取得するため、DNSサーバーのアドレスを入力せずに次へ進みます。


フィルターの設定ですが、一旦「すべてのアプリケーションの利用を許可する」を選択して次へ進みます。


設定内容の確認画面に遷移しますので、これまで入力した内容が正しいかを確認し、問題なければ「設定の確定」をクリックします。


設定の確定後、さっそく内蔵無線WANを介してインターネット接続が行われます。「設定の一覧」で接続状態を目視確認してみましょう。


管理画面のダッシュボード インターフェース情報でも接続状態を確認することができます。

ご覧のように、WAN/ONUランプが消灯しており、WWN (3G/LTE) のランプが点灯していることがおわかりいただけましたでしょうか。

2-3. NVR700Wを屋外に持ち出してみよう

内蔵無線WAN経由でインターネット接続ができたことを確認したので、実際に外に持ち出してみました。使用感としては、(当たり前ではありますが)モバイルルーター経由でのインターネット接続と体感速度は変わりません。

持ち運びですが、アンテナを取り外してカバンに収納することで、すっきりと収納することができます。A4サイズのノートPCが入るビジネスバッグに収まりがよい印象ですが、注意事項として、必ずアンテナは取り外してカバンに収納してください。また、ONU端子を保護するキャップは外れやすいので、紛失しないように気をつけましょう。

また、本体の重量も700g(付属品含まず)ですので、タブレットと一緒に持ち歩くぶんには、これらの重量合計はノートPC1台ぶんとそれほど変わりはありません。

最近では、スマートフォンをホテルの回線経由でインターネット接続させるための小型無線LANルーターも市販されていますので、これをLAN側に接続することで、スマートフォンもNVR700W経由でインターネットに接続することができます。

いかがでしたでしょうか。NVR700Wはスマートフォン用のモバイルルーターよりもパワフルに、機動性を活かしたユースケースに応えることができることがおわかりいただけたかと思います。

次号をお楽しみに!

濱田 康貴
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濱田 康貴

株式会社パイプライン 代表取締役

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