【Wi-Fi基礎知識をおさらい】2.4GHz帯/5GHz帯とトライバンド

【Wi-Fi基礎知識をおさらい】2.4GHz帯/5GHz帯とトライバンド

2023.02.28

こんにちは。SCSK なかせです!
今回の記事は、無線LAN(Wi-Fi)の「周波数帯」についてです。

ヤマハNW製品に限らず、無線LANアクセスポイントの製品仕様欄には、周波数帯に関して2.4Ghz帯や5Ghz帯と書かれている項目が必ずあるかと思いますので、無線LANで使用できる周波数帯は、大きく分けて「2.4GHz帯」と「5GHz帯」の2つだ!とご存じの方は多いかと思います。
しかし!「2.4GHz帯/5GHz帯の違いってなんだっけ?」や「2.4GHz帯/5GHz帯のメリット・デメリットが思い出せない…」といった方もいらっしゃるかと思いますので、今回の記事では、「2.4GHz帯」「5GHz帯」の基本的な情報をご紹介いたします!(ネットワーク初心者の方で、2.4GHz帯/5GHz帯を調べている方も、ぜひ本記事をご参考にしていただければうれしいです!)

最後にはヤマハ無線LANアクセスポイントWLXシリーズの中で、トライバンド対応の無線LANアクセスポイントについてもご紹介いたしますので、ぜひ最後までお読みください!

目次
1.2.4GHz帯/5GHz帯と通信規格
2.2.4GHz帯/5GHz帯の特徴とメリット・デメリット
3.トライバンド・デュアルバンド
4.トライバンドいいじゃん!と思われた方、WLX413・WLX313あります!

1.2.4GHz帯/5GHz帯と通信規格

そもそもですが、2.4GHz帯/5GHz帯は電波の周波数帯のことを指しています。
 2.4GHz帯・・・2.4GHz(2400MHz)前後の周波数帯域
 5GHz帯・・・5GHz(5000MHz)前後の周波数帯域

そして、無線LANでは通信規格によって使える周波数帯が異なります。
通信規格は、学術研究団体であるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)が定めており、規格によって使用する周波数帯が違うだけでなく、通信速度にも違いがあります。
通信規格によって使用できる周波数帯は、以下の一覧の通りです。

通信規格最大通信速度(理論値)周波数帯
IEEE802.11ax(Wi-Fi 6)※1・※29.6Gbps2.4GHz帯・5GHz帯
IEEE802.11ac(Wi-Fi 5)※16.9Gbps5GHz帯
IEEE802.11n(Wi-Fi 4)※1600Mbps2.4GHz帯・5GHz帯
IEEE802.11g54Mbps5GHz帯
IEEE802.11b11Mbps2.4GHz帯
IEEE802.11a54Mbps2.4GHz帯
※1:カッコ内はWi-Fi Allianceが定めるWi-Fiブランド名です。
※2:今回の記事では触れておりませんが、通信規格 IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6E)を使用するための周波数帯「6GHz帯」も存在します。

2.2.4GHz帯/5GHz帯の特徴とメリット・デメリット

一般的に、2.4GHz帯と5GHz帯の周波数帯を比較すると以下の特徴があります。

2.4GHz帯5GHz帯
(通信の到達)距離長い短い
障害物影響を受けにくい影響を受けやすい
速度遅い速い
電波干渉影響を受けやすい影響を受けにくい

上記の特徴を踏まえ、両周波数帯を利用する際のメリット・デメリットをご紹介いたします。

2.4GHz帯のメリット・デメリット

メリットは、以下の2点が挙げられます。
 ・遠方まで届きやすい(距離が長い)
 ・障害物に強い(障害物の影響を受けにくい)

2.4GHz帯の周波数は5GHz帯に比べ、電波が届く距離が長いので、遠方まで届きます。また、2.4GHz帯の電波は回り込みやすいという特性を持っています。例えば、建物の壁・床などの障害物があっても、障害物を回り込み、隣・階上・階下の部屋に電波が届きやすくなります。そのため、部屋数が多いマンションや間取りが広い一軒家でも使用しやすい周波数帯です。

デメリットは、以下の2点が挙げられます。
 ・(5GHz帯に比べて)通信速度が遅い
 ・電波干渉を起こしやすい(電波干渉の影響を受けやすい)

2.4GHz帯は無線LAN(Wi-Fi)だけでなく、電化製品の電磁波やBluetooth接続機器も利用する周波数帯となっています。そのため、利用できる機器が多い2.4GHz帯では機器同士の電波干渉が起きやすく、結果的に、通信速度の低下や通信切断にもつながります。

5GHz帯のメリット・デメリット

メリットは、以下の2点が挙げられます。
 ・(2.4GHz帯と比べて)通信速度が速い
 ・電波干渉を起こしにくい(電波干渉の影響を受けにくい)

5Ghz帯の周波数は、無線LAN(Wi-Fi)の電波しか利用しないので、他の機器と電波干渉せず、安定した通信を行うことが可能です。(お気づきの方もいるかと思いますが、5Ghz帯のメリット・デメリットは2.4Ghz帯のメリット・デメリットと逆の点です)

デメリットは、以下の2点が挙げられます。
 ・遠方まで届きにくい(距離が短い)
 ・障害物に弱い(障害物の影響を受けやすい)

2.4GHz帯とは逆に、通信距離が長くなった場合や、障害物が多いと通信が不安定となります。
また、5GHz帯のチャンネル(W53/W56)を使用している場合、気象・航空レーダー波等を検出した際に、使用している帯域を開け放して、干渉しないチャンネルに動的に切り替える「DFS」という機能の搭載が義務付けられています。そのため、DFSにより、無線LAN(Wi-Fi)通信が一時的に遮断されることがあります。
※参考:DFSについてはこちらの記事で詳しくご紹介しております。


両周波数帯にメリット・デメリットがあるため、一概にどちらの周波数帯を利用すべきだということは言えません。利用状況・環境によって、安定した通信ができる周波数帯は異なりますので、目的・用途に合わせて周波数帯を使い分けましょう!

3.トライバンド・デュアルバンド

前章まで、2.4GHz帯/5GHz帯の基本的な情報をお伝えしました。
実際に皆さんが無線LANアクセスポイントを選定する際には、その製品が対応している通信規格・周波数帯を気にされるかと思います。(無線LANアクセスポイントの製品仕様欄をチェックしますよね!)

無線LANアクセスポイントが出始めた頃は、シングルバンドの製品のみでしたが、現在ではデュアルバンドやトライバンドの製品が主流となっています。

 ・シングルバンド・・・1つの周波数帯(2.4GHz帯)にのみ対応
 ・デュアルバンド・・・2つの周波数帯(2.4GHz帯と5GHz帯の2つ)に対応
 ・トライバンド ・・・3つの周波数帯(2.4GHz帯と5.0GHz帯×2の3つ)に対応

今回は、デュアルバンドとトライバンドについて以下で紹介いたしますので、これから無線LANアクセスポイントをご検討いただく方はぜひご参考にしてください!

デュアルバンド

デュアル(dual)は「2つの~、二重の~」の意味で、デュアルバンドは、その名の通り、「2.4GHz帯」と「5.0GHz帯」の2つの周波数を利用することができます。

トライバンド

トライ(triangleのtri)は「3つの~、三重の~」の意味で、トライバンドは、「2.4GHz帯」と「5GHz帯」に加え、もう1つの「5GHz帯」の周波数も追加で利用することができます。
「5GHz帯」には複数のチャンネルが存在し、トライバンドは「W52/W53/W56」の5GHz帯チャンネルに対応しています。
 ※参考:5Ghz帯のチャンネルについてはこちらの記事をご参照ください。
まとめると、トライバンドで使用できる周波数帯は、2.4GHz帯、5GHz(1)帯、5GHz(2)帯の3つということになります。

トライバンドの強みは、3つの周波数帯域で通信を使い分けることで、それぞれの帯域で電波干渉が起こりにくくなり、安定した通信を可能にする点です。

4.トライバンドいいじゃん!と思われた方、WLX413・WLX313あります!

トライバンドいいじゃん!と思われた方、ヤマハNW製品では、トライバンド対応の無線LANアクセスポイント WLX413・WLX313 があります。

トライバンド対応ということで、無線に関する仕様は以下の通りとなっています。

WLX313WLX413
2.4GHz帯 無線LAN規格IEEE 802.11b/g/n(最大伝送速度400Mbps)IEEE 802.11b/g/n/ax(最大伝送速度1,147Mbps)
5GHz帯 無線LAN規格IEEE 802.11a/n/ac(最大伝送速度867Mbps)IEEE 802.11a/n/ac/ax(最大伝送速度2,402Mbps)
2.4GHz/5GHz 利用同時利用可能同時利用可能
5GHz 対応周波数帯W52/W53/W56W52/W53/W56
接続端末数5GHz帯(1):最大50台, 5GHz帯(2):最大50台, 2.4GHz帯:最大50台, 合計150台5GHz帯(1):最大200台, 5GHz帯(2):最大200台, 2.4GHz帯:最大100台, 合計500台

WLX413・WLX313のトライバンドに関する詳細は、それぞれの技術資料にて解説していますので、チェックしてみてください。

そして、トライバンド対応ということで、WLX413・WLX313はどちらもFast DFS機能を備えています。
5GHz帯のデメリットのところで触れたDFSですが、DFSの回避策としてFast DFS機能が有効です。
トライバンドの特徴である2つの5GHz帯を活用し、一方の5GHz帯の無線モジュールでチャンネルのスキャンを常に行うことでレーダー波に干渉しないチャンネルを把握しておき、使用中のもう一方の5GHz帯でレーダー波を検出した際には、すぐにチャンネルを変更することができるという機能です。
 ※参考:Fast DFS機能についての詳細はこちらの記事をご参照ください。

トライバンドならではの機能であるFast DFS機能も含め、3つの周波数帯を上手く使って、WLX413・WLX313でより快適な無線LAN(Wi-Fi)環境の構築をお試しください!

Special Thanks

ヤマハ株式会社 秦 佑輔
SCSK株式会社 直田 幸士

なかせ
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著者

なかせ

SCSK株式会社 ネットワークプロダクト第一部 なかせ@SCSK (@nakase_scsk) / Twitter

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