シオラボのネットワーク技術コラム第8回 「リンクアグリゲーション(LA)を理解する」

シオラボのネットワーク技術コラム第8回 「リンクアグリゲーション(LA)を理解する」

2019.11.26

1. はじめに

「シオラボのネットワーク技術コラム」では、前々回のVLAN、前回のスパニングツリープロトコル(STP)と、L2スイッチに搭載されている重要な機能について解説してきました。いかがでしたか。

さて、今回も引き続き、L2スイッチに搭載されている機能を取り上げましょう。今回は、リンクアグリゲーション(LA)についてです。

2. リンクアグリゲーション(LA)とは

リンクアグリゲーション(LA)とは、複数の物理リンクを束ねて、1つの論理リンクとして扱うようにする技術のことです。リンク集約化ともいいます。同時に複数の物理リンクを扱うことができるので、大きな帯域幅を使うことができるようになります。ちなみに、リンクアグリゲーションは、2000年3月にIEEE802.3adにて標準化されました。その後、2008年にIEEE802.1AX-2008として再度リリースされたものです。Dynamic Link Aggregation(LACP)と、Static Link Aggregationの2つが規定されています。

リンクアグリゲーションは、複数の通信が一度に発生する場合に有効な技術です。スイッチ間を接続する複数のポートを束ねて1つの論理リンクとして扱い、束ねた論理リンク内でロードバランサ機能を利用することで、通信の負荷分散を図ります。リンクアグリゲーションは、複数のポートでLAG(Link Aggregation Group)というグループを組みます。1つのLAGで動作するポートは最大8ポートまでです。リンクアグリゲーションを構成するポートは、100Mbps(Fast Ethernet)、1000Mbps(Gigabit Ethernet)、10Gbpsのいずれでも可能で、例えば、2ポートのGigabit Ethernetをリンクアグリゲーションすると、2Gbpsの帯域幅で通信することができるようになります。ただし、LAG内では、Ethernetが揃っている必要があり、100Mbpsと10Gbpsといった組み合わせにすることはできません。

複数のポートを束ねて1つの論理リンクにすることで、1つのポートに障害が発生しても通信を継続することが可能になります。ちまり、特定のスイッチ間の通信速度を向上させることができ、また、冗長性を確保することで耐障害性を向上させることができます。L2スイッチで冗長性を確保する仕組みとしては、スパニングツリーがありました。スパニングツリーは、イーサネットフレームのループを防止しながらネットワークを冗長化するものです。リンクアグリゲーションを使用せず、スパニングツリーを有効にした場合、イーサネットフレーム転送時のループを防止する機能が働くため、ブロッキングポートが作られます。2ポートのうち、片方の1ポートはブロッキングポートとなってしまうので、1Gbpsの帯域幅でしか通信できないということになります。よって、冗長化構成を取るには、リンクアグリゲーションが主流です。

リンクアグリゲーションでは、イーサネットフレームを転送するときに、複数のポートに振り分けて転送が行なわれます。ちなみに、イーサネットフレームとは、LANに採用されている通信規格であるイーサネットでやり取りされるデータの最小単位のことでしたね。受信側では、その振り分けられたイーサネットフレームを集約することが必要になってくるため、各ポートの識別情報や、それらをグループ化するための情報が必要になり、スイッチ間では事前にこれらの制御情報を交換しています。この情報交換をおこなうために、LACPDU(Link Aggregation Control Protocol Data Unit)が規定されています。つまり、リンクアグリゲーションは、接続する双方の機器で設定が必要です。リンクアグリゲーションの接続がうまくいかないときは、両方の機器の設定を見直してみましょう。

3. リンクアグリゲーションの設定方法

機器により若干の違いはありますが、以下に、リンクアグリゲーションの一般的な設定方法を記載しましょう。

  • 接続する双方の機器がリンクアグリゲーションに対応していることを確認します。
  • 双方の機器の設定画面でLAGを作成します。
  • LAGに指定したポートの速度、デュプレックスモード、フロー制御設定、MTUサイズをすべて一致させます。
  • LAGに指定したポートをすべて同一のVLANに属するようにします。
  • リンクアグリゲーション対象のポートがLAGとして正しく認識されていることを確認します。
  • LAGに設定したポート同士を接続します。
  • リンクアップ、ステータスが正常であることを確認します。

なお、LAGの設定が双方の機器で完了するまで、双方の機器をケーブルで接続しないようにしてください。イーサネットフレームのループが発生し、ネットワーク障害を発生させてしまうことがあります。

今回は、リンクアグリゲーション(LA)について解説しました。最近は、ネットワーク上を大容量のデータが流れることが多いので、機器を更新せずにネットワーク帯域を増やす必要も出てきます。そのような時にリンクアグリゲーションが活躍します。ただし、リンクアグリゲーションを使うと、多くのポートを使ってしまうので、あまり多用すぎない範囲で見極めて使用しましょう。

さて、次回からは、L3スイッチに話題を移します。その役割や処理について説明していきましょう。

小澤 昌樹

著者

小澤 昌樹

株式会社シオラボ 代表取締役

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